てつさらです。

小室哲哉氏が、『水曜歌謡祭』という番組で、「宇多田ヒカルちゃんが僕を終わらせた」と語ったことが話題となっていますね。

私も、彼女の「Automatic」を初めて聞いた頃のことは、よく覚えています。確かに、それまで聞いていた音楽とは全く違っていました。あの曲から、日本のポピュラー音楽は、違うステージに転換した、そういう印象でした。

 

私がこの曲を聞いて、何故か今でも想い出すのは、当時の渋谷の街の風景です。この曲が発表されたのは、1998年だと思いますが、当時、渋谷はかなり退廃的な雰囲気を漂わせていました。女子高生の援助交際などが話題になっていて、その主な舞台が渋谷だったことも、そういう雰囲気に一役買っていたと思います。

私も、1995年ぐらいから、よく渋谷に行って、何するということなく、街を徘徊していました。(もちろん、変なことはしていませんが……)そこにいるというだけで、なんとなく楽しかったのです。多分、彼女のこの曲を初めて聞いたのも、渋谷のCDショップだったと思います。そういう経験から、この曲と当時の渋谷の街が、私の中で、強く結びついているのでしょう。

女子高生の援助交際をテーマにした二本の傑作映画、『バウンス ko GALS』『ラブ&ポップ』が公開されたのも、ちょうどこの頃だったと思います。

その後、渋谷でのそういう状況がかなり問題視されて、渋谷の街は徐々に大人たちの手で浄化されていきました。商店街も自警団を組んで、馬鹿げた街の浄化作戦に取り組むようになりました。(その高圧的な取り締まりの様子を何度かテレビで見たことがあります。)大資本による街の大規模再開発も始まりました。

その結果、渋谷の街はどんどんつまらなくなっていきました。

今、私の勤務先は渋谷にあるのですが、街を歩いていても、ほとんど刺激を感じることはありません。外国人観光客が、スクランブル交差点でスマホで自撮りをする、それだけの街に成り下がってしまった感があります。

90年代後半の、あの頃の渋谷の危険な熱気を、もう一度体験してみたいです。

以上、てつさらがさらっと書きました。

p.s.
小室氏が「90年代の名曲」として選んでいる5曲、宇多田ヒカルの「Automatic」、スピッツの「ロビンソン」、Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」、Every Little Thingの「Time goes by」、SMAPの「夜空ノムコウ」は、どれも素晴らしい曲ですね。さすが、彼は当時の状況を深く理解していたんですね。