てつさらです。

さっき、NHK・BSの『アナザーストーリーズ』・「マイケル・ジャクソン降臨」という番組が放送されていました。

その内容を番組のHPから引用すると……

1983年5月16日、マイケル・ジャクソンが初めて披露した、たった2秒の“ムーンウォーク”に世界がくぎづけになった。これが分岐点になり、マイケルは不動のスーパースターに駆け上がっていく。タップの神様、フレッド・アステアとの知られざる絆、兄のジャッキー、マイケルにムーンウォークを教えたという黒人ダンサーなど、伝説の2秒間の舞台裏を徹底取材。“KING OF POP”誕生のアナザーストーリーに迫る。
『アナザーストーリーズ』HPより引用)

一番印象に残ったのは、マイケルに「ムーンウォーク」を教えたという黒人のダンサーの話でした。(彼は現在、50歳を過ぎていますが、まだダンサーとして踊り続けています。)

このムーンウォークは、マイケルがオリジナルではなく、「バックスライド」という名前で、当時既にこのダンサーらによって使われていました。マイケルは、そのパフォーマンスをテレビで見て、そのダンサーに連絡をとり、ダンスを教えてもらったのです。

しかし、マイケルはそのダンスを2年間も封印していました。そして、1983年5月16日、モータウン25周年特番「Motown 25: Yesterday, Today, Forever」に出演の際、「Billie Jean」のパフォーマンス内で、それを初めて披露したのです。

その瞬間、マイケルは、一躍スーパースターへとなったのです。そのダンスが全米で放送された翌日、アメリカ中でムーンウォークが躍られるようになり、また、マイケルのアルバム『スリラー』も爆発的に売れるようになったのです。

マイケルにムーンウォークを教えたダンサーは、自分の教えたダンスが、あれほどまでに熱狂をもって受け入れられるとは想像もしていなかったそうです。マイケルに会ったとき、バックスライド以外にもいろいろなダンスをマイケルに披露しましたが、彼が興味を示したのは、バックスライドだけでした。そしてマイケルは、モータウン25周年特番という最高のステージで、満を持してそれを披露したのです。

その意味で、「バックスライド」と「ムーンウォーク」は、全く意味合いの異なるダンスとなったと言えるでしょう。マイケルだけが、そのことを理解していたのです。

その黒人のダンサーは、今そのことを述懐して、「スパーク」と言っていました。まさに、1983年5月16日、「バックスライド」はスパークし、「ムーンスライド」へと生まれ変わったわけです。わずか2秒間でしたが、それは十分な時間でした。

そう、何かが爆発的に広まる前には、既にその素地は準備されているのです。あとは、タイミングよくスパークが起こるかどうかなのです。(このパフォーマンスがテレビ放送される際の編集にも、マイケルは徹底的にこだわったそうです。極力、顏のアップのカットは少なくして、全身の動きが見える引きのカットが大半になるように主張したのです。)

その黒人のダンサーは、「まだ自分にはチャンスは残されている。スパークがあればいいのだ」と言っていました。
以上、てつさらがさらっと書きました。

p.s.

YouTubeに、件のダンスの動画がアップされていました。この3:38くらいのところが、そのムーンウォークの瞬間ですね。