てつさらです。

NHKの大河ドラマ『花燃ゆ』の視聴率がいまいちのようですが……。

それはともかく、このドラマの主人公は、吉田松陰の末妹、久坂玄瑞の妻となる杉文です。

吉田松陰については、説明するまでもありませんね。明治維新の精神的指導者で、松下村塾で多くの人材を育てた教育者として有名です。

この松下村塾からは、久坂玄瑞、吉田稔麿、高杉晋作などの人材が輩出しています。さらに、伊藤博文、山縣有朋、前原一誠など、教科書にも登場する幕末、維新の偉人たちも、この私塾の関係者です。

幕末の長州藩という、非常に限られた時期、地域に、これだけ多くの人材が集中しているというのは、本当に驚きです。

さらに、明治維新では、薩長土肥という4つの藩から、多くの英雄が出ています。薩摩藩の大久保利通や西郷隆盛、土佐藩の坂本龍馬や中岡慎太郎、肥前藩の大隈重信や副島種臣などは、誰でも知っていますね。(後に、この4藩による要職の独占は、藩閥政治として批判されますが……。)

ペリー来航あたりから明治期のわずか数十年の間に、限られた藩から、次々と近代日本の礎を作った偉人達が、これほど集中的に活躍したことは、本当に不思議です。

彼らのような多くの才能が、たまたまこの時期に集中したのでしょうか?

確率的に考えて、そういう理屈づけは難しいでしょうね。

そうではなく、彼らのような才能は、どの時代にも埋もれているのです。たまたま、幕末という、大きく時代が動いた時代にめぐり会ったおかげで、彼らはその才能を開花させることができたのでしょう。また、吉田松陰のような狂気をもった教育者が、彼らの才能の開花に一役かったことも間違いないでしょう。

そう考えると、どんな時代にも、偉人の才を持った人物は眠っていると言えます。時代と社会環境さえ整えば、偉人たちは次々と生まれてくるものなのです。

これから、日本はどんどんと人口が減り、21世紀の百年間で、下手をすると、人口はピーク時の三分の一近くにまで減少すると言われています。そうなると、優秀な人材が生まれる確率もどんどん減ってしまうかもしれない、そう思ってしまうのも仕方ありません。

しかし、どんな時代にも、その環境次第で、いくらでも天才は現れるものなのです。大事なのは、才能を持った人の数よりも、時代のめぐりあわせと社会環境、そして、才能を開花させる教育者の存在だと言えるでしょう。

以上、てつさらがさらっと書きました。