てつさらです。

いまさらですが、中島みゆきの『時代』、いい曲ですね。

jidai

本人による歌唱の動画がなかったので、徳永英明によるカバーの動画を貼っておきます。

この曲で特に好きなのは、出だしの歌詞。

今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて
もう二度と笑顔にはなれそうもないけど

そんな時代もあったねと
いつか話せる日がくるわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう

もちろん、最初の「今」は、今現在のことです。
しかし、この「今」は、その瞬間から引き離されています。

「今」も、いつかは「そんな時代」として、つまり「過去」として振り返るときがやってくる、そのように「今」は二重化されているのです。

もし私たちが「今」という瞬間に捉われたままだとしたら、「今」は耐えがたいものでしょう。「こんなに悲しくて、涙も枯れ果てて、もう二度と笑顔にはなれそうもない」、そういう苦しみだけで、世界は覆い尽くされてしまうかもしれません。

でも、その「今」の呪縛から身を引き離し、未来からの視点で「今」を捉えなおすことにより、私たちは「きっと笑って話せる」かもしれないと、希望を見いだすことができるのです。

同様の考えは、(私が旧ブログで何度か紹介した)下の動画の言葉にも含まれています。(1:28くらい)。

10年後にはきっと、
せめて10年でいいからもどってやり直したいと思っているのだろう。
今やり直せよ。未来を。
10年後か、20年後か、50年後から戻ってきたんだよ今。

読み人知らず(2ちゃんねる)

素晴らしい言葉ですね!

この言葉も、未来という架空の視点にたち、そこから今を見つめ直しています。それによって今を生きていくための勇気を獲得しようとしているのです。

以上、てつさらが、さらっと書きました。