てつさらです。
この記事は、もっと早く書くべきだったかもしれません。
去年(2013年)の10月25日、シンガーソングライターの明日香さんが、癌のため、亡くなりました。
彼女のデビュー曲である『花ぬすびと』は、「第23回ポピュラーソングコンテスト」で優秀曲賞受賞(同年のグランプリは、あみんの『待つわ』)、「第13回 世界歌謡祭」ではグランプリを受賞した曲です。
この曲、今聞いても、本当にいい曲ですよね。
この曲一曲だけでも、明日香さんの名前は後世に残るでしょうね。
歌詞もすばらしいです。
確か、この曲の歌詞は、明日香さんの友人が学校の黒板か何かに書きつけていたのを、明日香さんが見て、そこからすぐに曲が生まれた……みたいなことを明日香さん自身が語っていました。
歌詞と曲が非常に一体化しているのは、そういう経緯もあると思います。
特に
季節でないのに 花が咲く
とか
人の心に 咲く花は
育ちやすく 枯れやすく…
とか
白樺めばえる 春の日に
秋の花が欲しくなる
とか
野分けが渡る 秋の日に
夏の花を追いかける
といった歌詞のところ、矛盾する二つの間を揺れ動く感じがすばらしいですね。
それから、最初に出てくる”花ぬすびとの伝説”というのは、狂言にある題目みたいです。(このブログに、詳しく載っていました。)
花の美しさに引かれてつい花を折ってしまう「花盗人」は、罪にならない。そういった考えというのは、どこかのんびりしていていいですよね(花盗人は、今の刑法上はもちろん罪ですが……)。そういう大らかさは、この日本から、徐々に失われつつあると思います。
もうそろそろ、東京や横浜の桜は終わりです。私も名残の一枝を手折って、花ぬすびとになってみようかしらん。
以上、てつさらが、さらっと書きました。