てつさらです。

先日、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』をちょっと読み返していたら、昔のミュージシャンたちをまとめて罵倒している場面に出くわしました。

主人公の「僕」は、飼っていた猫が死んでしまい、その埋葬のため、車を走らせて近くの林へ向かいます。その途中で、カーラジオから聞こえてくる下らない大量消費音楽の数々……。

「僕」は、自分たちがティーン・エイジャーだったときにも、同じようにラジオからは下らないゴミのような音楽が大量に流れていた、と言います。そして、できるだけそれを思い出そうとするのです。

以下、その部分でなで斬りにされるミュージシャンたちです。(引用は全て同書から。引用のないのは、ただ名前だけが挙げられているアーティスト。)

 

■ナンシー・シナトラ

ナンシー・シナトラ、うん、あれは屑だった、と僕は思った。

 

■モンキーズ

モンキーズもひどかった。

 

■エルヴィス・プレスリー

エルヴィスだって、ずいぶん下らない曲をいっぱい歌っていた。

 

■トリニ・ロペス

トリニ・ロペスなんていうのもいたな。

 

■パット・ブーン

パット・ブーンの大方の曲は僕に洗顔石鹸を思い起こさせた。

 

■フェビアン

 

■ボビー・ライデル

 

■アネット

 

■ハーマンズ・ハーミッツ

それからもちろんハーマンズ・ハーミッツ。あれは災厄だった。

 

■ハニカムズ

 

■デイブ・クラーク・ファイブ

 

■ジェリーとペースメーカーズ

 

■フレディ―とドリーマーズ

 

■ジェファーソン・エアプレイン

死後硬直の死体を思わせるジェファーソン・エアプレイン。

 

■トム・ジョーンズ

トム・ジョーンズ―名前を聞いただけで体がこわばる。

 

■エンゲルベルト・フンパーディンク

そのトム・ジョーンズの醜いクローンであるエンゲルベルト・フンパーディンク。

 

■ハーブ・アルパートとティファナ・ブラス

何を聞いても広告音楽に聞こえるハーブ・アルパートとティファナ・ブラス。

 

■サイモンとガーファンクル

あの偽善的なサイモンとガーファンクル。

 

■ジャクソン・ファイブ

神経症的なジャクソン・ファイブ。

 

うーん。聞いたこともない名前のアーティストがけっこういますね。春樹氏と同年代の、60年代~70年代初めに洋楽を聞いていた人でなければ、大抵はそうなんじゃないかな。

確かに酷い音楽が多いですが、個人的には、今聞いてもけっこういい曲も混ざっている気がします。ジェファーソン・エアプレインとかサイモンとガーファンクルは、私はけっこう好きなんだけどな。

以上、てつさらが、さらっと書きました。