てつさらです。

みなさん、パートナーのスマホや携帯を盗み見たり、日記を盗み見たりしてませんよね?

トラブルの元ですから、やめた方がいいですよ……w。

でも、携帯を盗み見て、相手が異性とメールしてたりしているのを発見すると、やっぱショックですよね。
LQ
LQ / tacit requiem (joanneQEscober )

特にそのメールに、「去年の○月○日のこと、一生忘れない。ふたりだけの秘密……」みたいな具体的な日付なんかが書かれていたら、そりゃもう、浮気の可能性大です。

「去年の○月○日」に、二人の間でいったい何があったのか、妄想が妄想を呼び、嫉妬の炎がメラメラと燃え上がること必至です。

もし、あなたのパートナーが本当に浮気していたとしたら、その「○月○日」に起こったことは、その二人にしかわかりません。その意味で、その日付は二人にとってかけがえのない、唯一無二のものです。それは世界中で二人だけが知っている特別な日の出来事なのです。(く、くやしーっ!)

でも、その日付は、本当に二人だけのものなのでしょうか?

私がパートナーのメールの中に見た「○月○日」という日付が、本当に二人だけの絶対的な秘密の日だとしたら、それはもはや「日付」という最低限の意味さえ失ってしまうのではないでしょうか。

「○月○日」という日付が、日付として機能するためには、やはり、二人の絶対的な固有性から引き離され、それ以外の人間にも使用可能なものにならなければなりません。(当たり前の話ですが……)

ですから、嫉妬に駆られた私が、去年の自分の手帳を引っ張り出して、「○月○日」当日、自分が何をしていたのかを確認することもできるのです。「あ、その日はオレは出張で家を留守にしていた!」ということが判明すれば、パートナーの浮気はほぼ確定、ということになってしまうのです。

パートナーの方も、「去年の○月○日のこと、一生忘れない。ふたりだけの秘密……」と日付をつけて書くことで、二人だけの一回こっきりの秘密を、記念日として何度も反復し、思い出すことができるのです。(同時にそれは、二人だけの秘密が外部に流出する危険を誘発してしまいますが……。)

以上、てつさらが、さらっと書きました。

p.s.
この日付をめぐる考えは、ジャック・デリダという人の『シボレート』という本に詳しく書かれています。興味のある方は、ぜひご一読を。