てつさらです。

1つのケーキを2人で分け合う場合、両方ともが不満に思わないように切り分けるにはどうしたらいいでしょうか。

もちろん正確に二等分できればそれに越したことはないのですが、それができない場合にはどうすべきでしょうか。

2人を A、B とすると、まずAが2つに切り、B が先に好きな方を取る、という方法にすれば、2人ともが不満に思わなくなるはずです。

つまり平等に分けるということを行うのに、2人の善意に訴えるのではなく、逆に2人の利己的な心理を利用しているのです。

これは大変すぐれた方法ですね。確かカントの『永遠平和のために』でも、このやり方が採用されていたと思います。永遠の平和を実現するには、人々の善意に訴えかけるよりは、人間がもともと持っている利己心を利用した方がうまくいくのです。

私は今、「死」というものをどう考えたらいいかをいろいろ考えています。死を恐れることなく受け入れるにはどうしたらいいのか、という課題です。その際に、死を単に乗り越えたり、恐れをなくす、という方法をとることは難しいと思います。人間は本能的に死を恐れる生き物だからです。

そうではなく、先程のケーキを切り分ける方法と同じように、人間がもともと持っている死を恐れる気持ちを逆に利用しつつ、それを通して死を乗り越える方法を探るべきなのです。

もちろん言う易し行うは難しで、そういう方法が本当に見つけられるのかわかりません。しかしそういう方法でない限り、それを考え続ける意味はないと思っています。

以上、てつさらがさらっと書きました。