てつさらです。

NHK・ BS で1月3日に放送された『欲望の資本主義 2017』という番組で、トマス・セドラチェクというチェコの経済学者が、次のようなことを言っていました。

利子はアルコールのようなものだ。どちらもエネルギーをタイムトラベルさせることができるから。金曜の夜に、お酒を飲んでいると、突然歌い出したり…。「このあふれるほどのエネルギーはお酒が与えてくれたものだ」って思うかもしれないが、ノーだ。お酒がしたのは土曜の朝のエネルギーを金曜日の夜に移動させただけだ。二日酔いは間違いなく翌日に来るが、お金は40年も50年も時を超えることができる。こんな風に危機につながったりするんだ。エネルギーが消えてしまうのだ、本当に必要な時に…。
(同番組より引用)

利子の話はさておき……確かに土曜日の午前中が二日酔いでつぶれたとしたら、金曜日のバカ騒ぎはただ単に、その分のエネルギーを移動させただけだというふうに言えるでしょうね。

アルコールを飲んで憂さを晴らすことに関しては、確かニーチェも批判していたと思います。

それから私の場合、翌日が休日だと、朝方の2時、3時まで映画の DVD を見たり、本を読んだりすることが多々あります。夜中に1人で起きていると、自分だけ賢くなったような錯覚に陥るのです。結果、翌日の午前中はほぼ、朝寝でつぶれてしまいます。これも単に、タイムトラベルをさせているだけなのです。

人間のできることには容量というものがあって、それをタイムトラベルさせたとしても、容量そのものが増えるわけではないのです。

もしかしたら、セドラチェクの言う通り、利子というものも、ただ単にタイムトラベルをさせるだけで、それ自体で経済のパイを大きくするものではないのかもしれません。人類のほとんどの時代では、利子を取るということを禁じてきたそうです。今でもイスラム社会では、利子を取ることを禁じています。それは、人類がもともと、タイムトラベルによって、ただ単にエネルギーを移動させることの危険性を、本能的に理解していたからかもしれません。

以上、てつさらがさらっと書きました。