てつさらです。

皆さんには、「自分の人生を狂わせた本」って、ありますか?

私にとって、その本とは、ドストエフスキーの『地下室の手記』です。

この本の悪魔的な主人公に、完全に魅せられてしまったのです。

この本を初めて読んだのは、10代の頃だったと思います。まだ素直だった私は、世の中にこんなに屈折した思考をする人間がいるのかと、衝撃を受けました。

この主人公は、ドストエフスキーのその後の長編に出てくるさまざまな悪魔的人物の系譜、例えば、『罪と罰』のスヴィドリガイロフとか、『悪霊』のスタヴローギンとか、『カラマーゾフの兄弟』のイヴァンとか、そういった人物たちの原型となっていますね。

この本を読んでから、例えばテレビのワイドショーを見ても、「テレビの連中は、この悲劇の事件を、悲しみを込めて放送しているけど、実際は、もっと陰惨な事件が起きることを望んでいるんだろうな」……などと、ひねくれた思考をするようになってしまいました。

そうやって、私の人生は狂ってしまったのです。

以上、てつさらがさらっと書きました。